株式会社協同バス 鈴木 貴大 様 インタビュー

Interview

創造と革新に「挑戦」し続ける会社であるために

 企業名 株式会社協同バス(http://www.kyodo-g.co.jp/)
 所在地 埼玉県行田市佐間1-20-36
 創業 1978年415
 事業内容 一般貸切・一般乗合・特定旅客自動車運送事業
 導入車両

・大妻嵐山中学校・高等学校スクールバスとして大型電気バス「K9

・久喜市内循環バスとして久喜市小型電気バス「J6
(いずれも2020年)

他社がやっていない新しいことに挑戦する。

BYDの電気バス導入に至った経緯について教えてください。

弊社では低公害車として業界でもいち早くCNG車を導入していたのですが、「CNG車以外に、何か新しいことを始めたい」と考えていた2019年、BYDというメーカーが小型の電気バスを日本で販売するという情報をインターネットで見つけました。それまでBYDのことは知らなかったのですが、製品説明会を開催するとのことだったので、興味本位で参加。せっかくなら詳しく電気バスについて知りたいとたくさんの質問を投げかけたところ、セミナー終了後にBYDの中国・深圳本社への視察のお誘いをいただきました。

正直、当時は「ちょうどスケジュールが空いているから行ってみるか」くらいの軽い気持ちで訪問を決めました。

最初は導入する考えはなかったのですね。

そうですね。ただ、深圳に到着すると、街を走るタクシーやバスなどの車が電気自動車だったことに驚きましたし、BYD本社のスケールにも衝撃を受けました。やっぱり「百聞は一見に如かず」ですね。

要望に真摯に応えるスピードが衝撃的だった。

導入の決め手となった出来事はありますか?

実は、私は二度深圳を訪問しています。2度目にBYD本社を訪問したのは、小型電気バス「J6」のプロトタイプへの評価の依頼があったからです。

評価の際、私を含む日本のバス事業者は、プロトタイプに対するあらゆるリクエスト約50項目をまとめて伝えました。無茶なリクエストも含まれていたと思います。すると、BYDの開発や設計、製造、購買の担当者たちが集まってディスカッションを始め、1時間もしないうちに、先ほどの私たちのリクエストに対する答えが出てきたのです。結果は、半分ほどの項目対して対応するというもの。保留や不可能なものに関してもその場で結論がすべて提示されたのです。

このスピードは衝撃的でした。それと同時に、このスピードであれば、私たちの要望に対してスピーディーに応えてくれるだろうと感じましたし、部品供給などについても迅速に対応してくれるだろうと感じましたね。

協同バスが導入した小型電気バス「J6」
埼玉県久喜市内を循環するコミュニティバスとして運行

もう1つ、最終的な決め手になった出来事がありました。深圳のとある公園で、石碑を見つけたのです。その石碑には、「時は金なり。効率は命なり。」と刻まれていました。こうした深圳の人々やBYDの社員のスピリットに共感し、BYDの電気バスを導入することにしました。

実は、深圳から帰国後、弊社の企業理念も作り直しています。新しく、“創造と革新に「挑戦」し続ける会社であるべし。”という項目を加えたのです。このことは昔から思っていたことでしたが、深圳で受けた衝撃やインスピレーションが引き金となり、言葉にすることができたと感じています。

深圳市内の公園の石碑
(鈴木様撮影)

  

<協同バスの企業理念>

一つ 社員の潜在能力を「引き出す」会社であるべし。

社員能力の合算が会社力です。個人個人に秘められた能力を引き出し、社員力と会社力を向上させましょう。

一つ お客様の「欲しい」を実現する会社であるべし。

付加価値とはお客様の欲しいを叶えた対価です。お客様の欲しいにはYESで応え実現できる方法を探求しましょう。

一つ 「存在価値」を認められる会社であるべし。

人間にとって、貴方が居て良かったと言われることが幸福であるように、会社も、お客様から・社員から・取引先から、そして地域・業界から、貴社が居て良かったと言われる会社になりましょう。

一つ 創造と革新に「挑戦」し続ける会社であるべし。

周囲が努力を重ね・進化を続け・発展するなか、現状維持は退化に等しいです。創造と革新に挑戦し続け、いつまでも若々しく躍動的な会社でありましょう。

一つ 利益をもって発展し「永続」する会社であるべし。

お客さまが安心し、社員が安心し、取引先が安心できるよう、永続する会社でありましょう。そのために不可欠な利益を積み重ねましょう。

品質に関しては、グローバルで5万台超(※1)の電気バス販売実績があることと、深圳市で見聞きしたことから特段心配はしていませんでした。また、BYDのパーツ供給センターが群馬県館林市と近くにあることも、安心できた理由の1つですね。
(※1)当時の販売実績。2021年10月時点では約7万台。

実際にBYD製の電気バスを導入して以降、変化はありますか?

これまで外国製の車を入れた時の経験から、何かしら不具合が起きてしまうと覚悟していましたが、これまで大きな不具合なく走り続けています。「もう少し何かあるだろう」と思っていましたが、良い意味での誤算でした。()
整備士に話を聞いても、メンテナンスが極めて楽になったと話しています。

協同バスが導入した大型電気バス「K9」
大妻嵐山中学校・高等学校スクールバスとして運行

利益をもって発展し「永続」する会社へ。

BYDの社名の由来は、Build Your Dreams(夢を実現する)です。
今後、貴社が実現したい夢を教えてください。

弊社の企業理念としても掲げている、“利益をもって発展し「永続」する会社であるべし。”を実現することです。利益があるから永続するのではなくて、永続するために利益を積み重ねていこうと考えています。弊社はもうすぐ60周年を迎えますが、この先100年、ずっと永く永く会社を続けていきたい。これが、私の目標であり私の夢です。

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