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BYD Manufacturer Stories.

vol. 1
ブレードバッテリーのひみつ

BYDの「ブレードバッテリー」は、そもそも安全?

みなさんこんにちは、自動車ライターの小鮒康一です。
18歳で免許を取得してから現在までさまざまなクルマを愛し、気づけば自動車ライターとなって早10年以上が経過しました。過去には軽自動車からスポーツカー、セダンにミニバンと雑多なボディタイプを乗り継いできましたが、最近はモーター駆動の魅力にとりつかれ、電気自動車を購入するまでに至っております。

そんな筆者は、先日、日本への導入が正式発表となったBYDの電気自動車にも興味津々。ただ、海外生まれの電気自動車ということで、信頼性や耐久性の面が気になるのも正直なところです。

そこで、実際のところどうなのか調べてみました。

「ブレードバッテリー」が安全な理由

そもそも、電気自動車は電気の力でモーターを駆動させ、車両を走らせる仕組み。そのため、その電気を貯めておくバッテリーが非常に重要な役割を果たします。

近年の電気自動車で数多く搭載されているのは、携帯電話のバッテリーとしても知られる「リチウムイオン電池」。BYDの新型電気自動車にも、このリチウムイオン電池が搭載されていますが、みなさんが気にされるのは、ズバリそのバッテリーの安全性ではないでしょうか?

そんなことが頭をよぎるのも、粗悪なモバイルバッテリーが発火する事故のニュース映像を目にしたせいかもしれません。ましてや、命を預ける「車」の心臓部分ともいうべきバッテリーは、当然、安全なことが第一条件。

その点、BYDはもともとバッテリーメーカーとして1995年創業。携帯電話やノートパソコン、蓄電池に至るまで、さまざまなバッテリーの製造販売からスタートしました。言わば「バッテリーを知り尽くした」BYDが新たに開発した「ブレードバッテリー」が、ただのバッテリーであるわけはありません。

※串刺しにされても熱暴走しない「ブレードバッテリー」

「ブレードバッテリー」は、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用しています。この方式のバッテリーは結晶構造が強固で、熱安定性が高い、つまり、安全性が非常に高いのが特徴です。それを裏付ける“釘刺し試験”(バッテリーパックに直接釘を刺す実験)という、最も厳しい試験でも、三元系リチウムイオン電池が発火や爆発する一方で、「ブレードバッテリー」では熱暴走は起こりませんでした。言うなれば、安全性は実証済み。

さらに、従来のバッテリーのように、希少金属を使用していないため、コストが抑えられている点も、一ドライバーとして見逃せない、大事なポイントです。

「ブレードバッテリー」は航続距離にも自信あり!?

※刀(ブレード)状のセルが並ぶ「ブレードバッテリー」

電気自動車のバッテリーでもうひとつ重要な点と言えば、当然、航続距離でしょう。

リン酸鉄リチウムイオン電池はエネルギー密度が低い点、つまりサイズに対してバッテリー容量が少ないのがこれまで弱点と言われてきました。しかし、「ブレードバッテリー」は、バッテリーの構成をシンプルにして限られたスペースに対してより多くのセルを搭載することで、その弱点を克服し、結果、航続距離を伸ばすことに成功しました。

そして、「バッテリーの劣化」について。

日本に今後導入される乗用車の新モデルは、8年15万kmの保証が付帯されるほど、耐久性には相当な自信があるようです。

なお、2015年に毎日決まったルートを走行する路線バスとして納入されたEVバスを例にすると、すでに7年が経過した現在でも、交換が必要なほどの劣化は認められないんだとか。ちなみにこの路線バスのバッテリーは、「ブレードバッテリー」以前のモデル。

2023年に導入予定の新型バスにはブレードバッテリーが搭載され、その保証期間はなんと8年40万kmとなる予定とのこと。40万kmって地球10周ですよ。一般的な路線バスの年間平均走行距離は5万km前後ですから、8年フル稼働したとしても保証条件から外れません。恐るべしBYD。

※国内電気バスのシェア7割を占める

このように、元々バッテリーメーカーだったBYDが作り上げた「ブレードバッテリー」は、安全性・耐久性ともに高い水準にあり、すでに日本国内でも実績があることが今回よく分かりました。

今後、気になる点をまたレポートしてみたいと思います。

PROFILE

小鮒 康一 Koichi Kobuna

国産車好き自動車ライター。1979年生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後にフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、現行車に関しても、変わらずアンテナを張り続けている。今年春まで電気自動車(2代目日産リーフ)を所有していた。